カナック処理とは
カナック処理とは、窒素の拡散現象を用いた表面処理方法で、窒素と母材に含有している合金元素(特にCr、Mo、V)と反応させながら、硬化層(拡散層)を形成させる処理です。
カナック
| 特性 | カナック処理 | 塩浴窒化 | 浸硫窒化 |
|---|---|---|---|
| 表面の主組成 | CrN、MoN、Fe | Fe2-4N | S化合物、Fe3N |
| 窒素化合物層(μm) | 0~2 | 15~25 | 10~30 |
| 硬化層深さ(μm) | 40~100 | 100~400 | 100~400 |
| 面粗度Rz(μm) | 2~5 | 15~35 | 20~45 |
| 寸法変化量(μm) | 0~5 | 15~25 | 15~30 |
| 表層の剥離 | なし | あり | あり |
| 溶接性 | 問題なし | ボイドの発生 | ボイドの発生 |
| 付き回り性 | 均一 | 不均一 | 不均一 |
| 繰返し処理 | 5回以上可 | 2回まで | 2回まで |
| PVDの付き | 良好 | 不可 | 不可 |
| メッキの付き | 良好 | 磨けば可能 | 不可 |
| 適用鋼種 | Cr% | 表面硬さHV |
|---|---|---|
| 冷間ダイス鋼 | 5~14 | 1000~1400 |
| 熱間ダイス鋼 | 2~6 | 800~1100 |
| 高速度工具鋼 | 3.5~4.5 | 1200~1400 |
| 粉末高速工具鋼 | 4~6 | 1200~1400 |
| Cr-Mo鋼 | 1~2 | 600~800 |
| γ系SUS | 16~24 | 1200~1400 |
| M系SUS | 10~20 | 900~1400 |
| α系SUS | 10~30 | 900~1200 |
| 硬さが大幅にUPしない鋼種 | Cr未含有の材質(SC、SK)低温焼戻材・・・変寸大 | |
金属組織写真(SKD61)

カナック処理

ガス軟窒化処理
鏡面金型とシボ金型の外観

カナック処理後に鏡面仕上げが必要です

カナック処理後に艶出し加工が必要です
特徴
■表層に脆い窒素化合物層(白層)が生成しにくい
■クラックを進展させるカモメマークが生成しません
■比較的浅い硬化層(拡散層)になります
■面荒れをおこしにくい
■寸法変化量が小さい
■溶接時にボイド等の欠陥をおこしません
■付き回り性が良好で、細穴や異形状にも均一に処理が可能です
■繰返し処理が可能です
■各種処理と組合せた複合処理が可能です
使用目的
■耐摩耗性向上
適応分野
■各種ダイカスト
■射出成形
■プレス成形
■機械構造用部品
■電機部品
主用途例
■鏡面金型
■シボ金型
■射出成形用の構成部品
■各種ダイカスト用の構成部品
■粉体輸送管
■粉砕機スクリーン
■搬送用チェーン
■耐摩耗部品
■高合金鋼の刃物類




